DFAST で遺伝子を調べる

実行環境SSH 接続先の Linux で入力準備 → Windows のブラウザー / DFAST Web版
前提アセンブリの比較が終わり、入力に使うFASTAを選んだこと

1. 入力FASTAを準備する

アノテーションは、配列の中にある遺伝子などの位置を予測し、既知の情報と照合して注釈を付ける処理です。ここではHybridの結果を使います。まず、SSH接続先のLinuxで入力FASTAを用意します。

cd /home/bsjinzai
mkdir -p results/annotation
cp assembly/hybrid/assembly.fasta results/annotation/sample_A.fasta

Windows側のPowerShellで、入力FASTAをダウンロードします。

New-Item -ItemType Directory -Force "$HOME\genome-workshop\results\annotation"
scp -P PORT USER@HOST:/home/bsjinzai/results/annotation/sample_A.fasta "$HOME\genome-workshop\results\annotation"

2. DFAST に入力する

WindowsのブラウザーでDFASTを開いて Start your project! を選びます。

  1. Query File に sample_A.fasta を指定します。アップロードの上限は画面の表示を確認します。
  2. ジョブ名を sample_A_hybrid など、試料とアセンブリ方法が分かる名前にします。
  3. OrganismとStrainは空欄にします。
  4. 遺伝暗号は今回の配布データ向けに 11 を使います。最小配列長などの設定を記録します。
  5. 菌種を調べる段階へ進む前は、Perform Taxonomy Check とGTDBによるspecies identificationをオフにします。
  6. 設定を確認して解析を開始し、表示されたJob IDと結果URLを保存します。

DFASTはアカウントなしでも利用できます。利用方法はDFAST FAQを参照してください。

3. 菌種推定のタイミングを揃える

菌種推定をオフにしても、機能名や相同性の情報から由来を推測できる場合はあります。

菌種を調べる段階で、taxonomy checkを有効にした解析も行い、推定結果と開示された菌種名を照合します。自動推定の名前だけで同定を確定せず、使ったデータベースや一致度などの根拠を確認します。

4. 結果で確認する項目

項目 観察すること
ゲノム統計 入力した配列数と総長が意図どおりか
CDS タンパク質をコードすると予測された領域の数と位置
rRNA・tRNA RNA遺伝子の予測数と位置
Product / 機能注釈 どのような機能が推定され、何が未確定か
hypothetical protein 機能を割り当てられなかった予測タンパク質
frameshift・途中の終止など 配列誤り、生物学的な変化、予測の限界などを検討する手がかり

hypothetical protein という注釈だけで、新しい遺伝子を発見したとは言えません。遺伝子予測や相同性検索による候補であり、機能や新規性の裏付けには別の調査が必要です。

5. 結果を保存して比較する

Windows側のPowerShellで、DFASTの結果を保存するフォルダを作ります。

New-Item -ItemType Directory -Force "$HOME\genome-workshop\results\annotation\dfast-hybrid"

結果ページからGenBank、GFF、タンパク質FASTA、統計表などをダウンロードし、このフォルダに保存します。入力FASTA、Job ID、実行日、DFASTの版、データベースの版、設定も残します。

Windows側のPowerShellから、結果フォルダをLinuxにもコピーします。

scp -P PORT -r "$HOME\genome-workshop\results\annotation\dfast-hybrid" USER@HOST:/home/bsjinzai/results/annotation/

余裕があれば、Flye+RaconのFASTAも同じ設定でアノテーションし、CDS数や分断された予測の違いを比べます。DFASTの最小配列長の既定値は画面上で確認し、全ジョブで揃えます。QUASTの500 bpという閾値とは別です。

遺伝子数が増えたことを、そのまま改善とは判断しません。分断、塩基誤り、フィルタ閾値、遺伝子予測法でも数は変化します。

比較の記録シートに、採用したFASTAと理由、DFASTの設定、注目した遺伝子を1つ記録します。

参考:DFAST入力画面、DFAST-core。